誰でも嫌なことや苦しいことがあると気分が落ち込んだり、やる気がなくなったりします。しかし、これがほぼ毎日長期に渡って続き、日常生活が困難なほどになると「うつ病」と診断されます。
この病気の原因は脳の働きに何らかの問題が生じることと同時に、ストレスや体の病気、環境の変化などの要因が重なって発症すると考えられています。
うつ病になると、ものの見方が否定的になったり、自分がダメな人間だと感じたりするようになります。具体的には、抑うつ気分、興味または喜びの喪失、意欲の低下・おっくう感などの“こころの症状”と、食欲不振または過食、不眠や動悸、倦怠感などの“からだの症状”がみられます。うつ病に対する現代医学の治療法は主に「休養」と「薬物療法」です。
アーユルヴェーダの考え方でうつ病を見ると、まずヴァータが乱れることによって不安、悲哀、心配、絶望感など精神的な症状が起こります。このような精神状態はすべての病を悪化させる最たるものですが、うつ病の場合もピッタやカファに影響し、不眠、動悸、嘔吐、めまい、腹痛、頭痛など様々な身体症状を引き起こします。このようにうつ病の始まりにはヴァータが大きくかかわっていると考えられますが、その症状は多岐にわたります。一人一人の症状からどのドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カファ)が一番増悪しているかを見極め、それに応じて対処することも大切になってきます。例えば、不眠や不安はヴァータの増悪のためオイルマッサージが勧められます。一方、過眠や倦怠感、頭重感、無気力などの症状が強い場合はカファの増悪と考えられますので、カファを鎮静するための治療や生活法を取り入れるわけです。いずれにしてもうつ病は再発しやすい病ですので、症状がよくなっても油断せず、日々の生活習慣や食事の注意事項を取り入れて根気よく治療に取り組んでいくことをお勧めします。
●生活では…
規則正しく生活をする(特に早寝早起き)
朝陽を浴びる
朝シャワーを浴びる
疲れたら休む
ウォーキング
初めてのことをする
●生活の上で避けた方がよいこと
過度の疲労
考えすぎ
夜更かし
騒がしい場所にいくこと
激しい音楽や過激な映像
●自分でできるセルフケア
オイルによるヘッドマッサージ
2滴ナスヤ(点鼻)
●食事では…
新鮮な食物を食べる
作り立ての温かい食事を摂る
清潔な食卓で落ち着いて味わって食べる
【食べたほうが良いもの】
野菜全般・果物全般・ニンニク・生姜・鶏肉・
白米・大麦・緑豆・牛乳・ギー・ハチミツ・岩塩・ アロエ
【スパイス】サフラン・ターメリック・クミン・ディル・
黒コショウ・長コショウ・フェンネル・ナツメグ、
シナモン・カルダモン・アジョワン・ヒング
【避けたほうが良いもの】
前日の残り物や古くなった食べ物、加工食品、発酵食品、
冷凍食品、激辛食品、インスタント食品、冷たい飲料、アルコール
※以上のようなことが一般的にうつ病の改善に勧められる
セルフケアですが、体質(プラクリティ)や
原因によって異なってくる部分もありますので、
個々人に合わせた生活処方が大切になってきます。
(自由診療)税込価格
・アビヤンガ(全身オイルマッサージ)発汗法付 ¥19,800-
身体を滋養し、全身の代謝を上げます。
・シロダーラ(頭にオイルを垂らす方法) ¥15,840-
ストレスや不眠に効果があります。
・ナスヤ(点鼻法) ¥11,880.-
直接鼻にオイルを入れ、頭部に作用します。
・パンチャカルマ:
バスティ(浣腸療法):冷えや疲労などのヴァータを鎮静させる目的で行う経腸法。
※アーユルヴェーダ医が適応と判断した場合のみ行いますので、パンチャカルマ相談(1時間)を受けていただく必要があります。